2023年に公開された実写映画『聖闘士星矢 The Beginning』は、80年代の名作漫画をハリウッドで映画化した意欲作でした。しかし公開後、ネット上では「聖闘士星矢実写やばい」という声が続出。いったい何が問題だったのでしょうか。

この記事では、実写版が「やばい」と言われる理由を詳しく解説します。また、気になる配信情報についてもご紹介していきますね。

聖闘士星矢実写やばいと言われる最大の理由

実写版『聖闘士星矢 The Beginning』が「やばい」と言われる理由は、大きく分けて二つあります。

記録的な大赤字で続編は絶望的

最も衝撃的だったのは、その興行成績です。制作費約80億円という大作だったにもかかわらず、世界累計の興行収入はわずか約10億円。つまり約70億円もの大赤字となってしまいました。東映アニメーションだけでも36億円の損失を計上したというから驚きです。

国内では初週こそ4000万円を記録したものの、二週目にはあっという間にトップ10圏外へ。同時期に公開された『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が120億円を超える大ヒットだったことを考えると、その差は歴然としています。

アメリカでも初週12位と振るわず、熱狂的なファンが多いメキシコでさえ約1億5000万円にとどまりました。当初は6部作構成を目指していたそうですが、この結果では続編の製作は極めて困難でしょう。

原作の魅力が失われてしまった

原作ファンからの批判も厳しいものがありました。最大の問題は、聖闘士たちが身につける「聖衣(クロス)」のデザインが原作と大きく異なっていた点です。

原作では輝かしく美しいクロスが魅力の一つでしたが、映画版は武骨な鎧のようなデザインに変更されていました。「これを聖闘士星矢と呼べるのか」という声が多く上がったのも無理はありません。幼い頃にダンボールでクロスを自作して遊んだ世代にとっては、受け入れがたい変更だったようです。

また、登場する聖闘士がペガサス、フェニックス、イーグルのみと少なく、原作で人気だった多彩なキャラクターたちの活躍も見られませんでした。バトルシーンも期待されていたほど多くはなく、物足りなさを感じた人が多かったようです。

聖闘士星矢実写やばい状況を招いた要因

では、なぜこのような事態になってしまったのでしょうか。

宣伝不足が致命的だった

制作費に多額の資金を投じた一方で、宣伝活動が十分ではありませんでした。公開されていること自体を知らなかったという声も多く聞かれます。

主演の新田真剣佑さんは若い世代に人気の俳優ですが、近年は日本でのメディア露出が減っていたことも影響したかもしれません。原作を知らない若い世代へのアプローチが弱かったのは残念なポイントです。豪華なキャストを揃えながら、その魅力を十分に伝えきれなかったのは惜しいですね。

ターゲット選定のミス

実は『聖闘士星矢』は、アメリカよりもヨーロッパや南米で圧倒的な人気を誇る作品です。それなのにアメリカをメインターゲットにしたことが裏目に出ました。

アメリカでは原作の知名度が低く、2019年にNetflixでアニメが配信されたものの、十分な認知度は得られていませんでした。もしヨーロッパや南米をターゲットにしていれば、結果は違っていたかもしれませんね。

実写版の評価できるポイント

「聖闘士星矢実写やばい」という声が多い一方で、評価すべき点もあります。

新田真剣佑さんの演技とアクションは素晴らしく、ハリウッドデビュー作としては上々の出来でした。流暢な英語と鍛え上げられた肉体を活かしたアクションシーンは見応え十分です。特にペガサス流星拳などの必殺技の再現度は高く評価されています。

また、ショーン・ビーンやファムケ・ヤンセンといった実力派俳優たちの演技も光っていました。CGやワイヤーアクションを駆使した映像は迫力があり、原作の必殺技も忠実に再現されています。

原作者の車田正美先生も「海の向こうでこんなに熱い映画を作ってくれた」と好意的なコメントを寄せており、製作陣の熱意は確かに伝わってくる作品でした。過去の『ドラゴンボール・エボリューション』と比べれば、はるかに完成度が高いという評価もあります。

ストーリーは初心者向けにアレンジ

映画では原作の設定を大きく変更しています。

星矢はスラム街育ちの地下闘技場ファイターという設定で、城戸光政(アルマン・キド)は存命。ヴァンダー・グラードは女性でキドの元妻という、原作とは異なる人物関係になっています。

これらの変更は原作ファンには受け入れがたいものでしたが、原作を知らない人にも分かりやすいストーリーにしようという意図があったようです。テンポよく進む展開は、初めて『聖闘士星矢』に触れる人には楽しめる内容だったかもしれません。修行シーンや女神アテナの覚醒など、見どころもしっかり押さえられています。

配信はどこで見れる?視聴方法を紹介

現在、実写版『聖闘士星矢 The Beginning』は複数の動画配信サービスで視聴可能です。

主な配信サービスは以下の通りです。

  • U-NEXT(月額2,189円・31日間無料体験あり)
  • Amazon Prime Video(月額600円・30日間無料体験あり)
  • DMM TV(月額550円・14日間無料体験あり)
  • dアニメストア(月額550円・31日間無料体験あり)
  • TSUTAYA DISCAS(宅配レンタル・月額2,052円・30日間無料体験あり)

無料期間を利用すれば、お試しで視聴することもできますよ。ただし、配信状況は変更される場合があるため、各サービスの公式サイトで最新情報を確認してくださいね。無料期間中に解約すれば料金は発生しないので、気軽に試してみるのもおすすめです。

まとめ:賛否両論だが一見の価値はある

「聖闘士星矢実写やばい」と言われる理由は、記録的な大赤字と原作からの大幅な改変でした。原作ファンからは厳しい評価を受けましたが、アクションシーンの迫力や俳優陣の熱演など、見どころもあります。

過去のハリウッド実写化作品と比べれば完成度は高く、先入観なしで楽しめば意外と面白いという声もあります。配信サービスで気軽に視聴できるようになったので、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

続編の可能性は低そうですが、配信で評価が高まれば状況が変わる可能性もゼロではありません。今後の展開に期待したいですね。新田真剣佑さんの次回作にも注目です。