就労継続支援B型ってどんなところ?
就労継続支援B型とは、何らかの障害により一般就労が難しい方が利用できる福祉事業所です。
就労継続支援の種類は?
就労移行支援事業・就労継続支援事業A型(雇用契約あり)・就労継続支援事業B型(雇用契約なし)などありますが、3つの中で一番福祉的要素が濃いというイメージでしょうか。
これからB型で働く人や、すでに働いている方にとって、よくある悩み・トラブル・その時の職員の役割、さらに向いている人って?
自分は就労支援員に向いているのかな?と疑問に思うこともあると思います。
そこで10年間現場で職員として支援をしてきた経験からこんなことを解説します!
- 職員の役割
- 就労支援員とは?
- 向いている人
- トラブルとの付き合い方
- 抱えやすい悩み
こういったことを解説しているので参考にしていただけると嬉しいです!
Contents
就労継続支援B型の職員の悩みとトラブル!
就労継続支援B型の職員として働く場合、管理者、サービス管理責任者、職業指導員、生活支援員のいずれかに配属されることになります。
職業指導員、生活支援員として働くには特別な資格を必要としないため、働いている人の中には「他業種からの転職」というパターンも少なくありません。
働き始めたからといって、急に福祉の専門職になれるわけではないので、利用者のもつ障害への理解や、職業としての役割を理解できずに、理想と現実のジレンマに悩むパターンが多いようです。
就労継続支援事業では、利用者との雇用契約を結ばないため、給与を「工賃」と呼びます。
厚生労働省の調査によると2021年の平均月額工賃は(令和3年度)16,507円となっております。時給にすると233円。同年度の最低賃金(全国加重平均額)の961円を大きく下回っています。
障害を理解すること。さらに理解した上で利用者に接し、行動に移すことは非常に難しいことでもあります。
利用者は成人している大人として接する必要があり、こども扱いは基本しません。
信頼関係を築きつつ、支援員としての一線を置いたコミュニケーションが必要ということになります。
就労継続支援B型の職員の仕事はキツイ?
障害を持つ方の中には、大声、時には他害といって支援をする職員に向かって手が出ることもあります。
保護者の対応について悩むこともあるでしょう。
古い社会福祉法人では勤務時間外に、和太鼓の練習を強制される・・・なんてこともあるとか・・・
コロナ禍において、自粛期間中「在宅ワーク」なんて言葉が出ていましたが、私たち福祉職も、エッセンシャルワーカーなんて言われ、必死に障害を持つ方の「日常」を守って来ました。
もっと評価されたい!!
なかなか評価される機会が少ないと言えます。
就労継続支援B型の職員の給料は安い?
気になる職員の給料ですが一番の悩みどころかも…。
地域差がありますがあくまで一例として…(九州の田舎)。
- 福祉系4年大学を卒業
- 社会福祉士資格もち
- 役職:サービス管理責任者
- 勤続年数10年
- 基本給がやっと20万を超えました。
- ボーナスアリ
非常に厳しいです。
国からは「介護職員処遇改善加算」、「ベースアップ加算」などが支給されます。(賞与と一緒に支給されることもあります)。
就労継続支援B型の職員が辞めたい理由
職員が辞めたい理由はこういう理由になります。
給料の低さ
仕事への情熱や、やりがいを感じていても、家族を養う立場になった際に給料の低さがネックとなります。同僚もそれを理由に他業界へ転職していきました。
作業、仕事のマンネリ
就労継続支援B型と名前にある通り、なかなか利用者の入れ替わりがないことが多いです。
職員の入れ替わりは激しいですが作業内容も変わらず…ということもありマンネリに感じるようです。
人間関係
利用者との関係づくりに悩む方も多くいます。
こういったことが職員の就労継続支援B型を辞めたい理由になっています。
就労継続支援B型の職員の悩みの考察と解決方法
就労継続支援B型の職員の悩みを解説していきます。
初めての福祉業界
資格が必要がないということで、就労継続支援B型の職員が初めての福祉業界という方も多くいます。
どのように接していいのか、戸惑う。あまりにも一生懸命に接する事で悩み、燃え尽きてしまうことも。
一つに、チームであることを意識しましょう。
事業所によっては「担当利用者」を割り振られることもあります。
ひとりで解決しないこと。
場合によっては就労継続支援B型の範疇を超える課題を抱える利用者も少なくありません。
そういった時には、相談員・行政の力が必要です。
他にもこんな職員の悩みがあります。
運営方針への疑問
明確な運営方針がなかったり、経営を重視しすぎていたり…。
そもそも、運営側との意見交換ができないといった状況もあります。
アクションを起こしても変わらない状況であれば、転職を考えること。
事業所の数も増え続けています。
同業者とのつながり「自立支援ネットワーク」など行政区ごとに、地域のネットワークを構築する仕組みもあります。
ネットワークが上手く回っている自治体では、そういった場も活用し、周りに目を向けて見ることも一つの手です。
就労継続支援事業B型の職員の役割
就労継続支援B型の一日のスケジュールを記載しておきます。少しイメージできるでしょうか。
8:30 | 出勤 |
8:40 | 送迎開始 |
9:50 | 朝礼(職員) |
10:00 | 作業開始 |
10:50 | 休憩(利用者)トイレの促し、会話 |
11:00 | 作業 |
12:00 | 昼食 (昼休みの利用者とキャッチボールなど) |
13:00 | 作業 |
13:50 | 休憩 |
15:00 | 終礼(利用者向け) 送迎開始 記録・翌日の準備・終礼(職員向け) |
17:30 | 終業 |
その間、保護者との連絡。利用者同士のトラブルの仲裁など。
サービス管理責任者であれば、6か月以内に個別支援計画を更新し、他機関(グループホーム、相談員など)と連絡調整。
法人が大きければ委員会活動等が入ってきます。
基本、通所される利用者の就業を手助けする場所で、利用される方が就業できるよう、
内職などの軽作業や、アート活動、施設外就労(清掃、農作業、工場へ出向き就労など)
パン屋やカフェの経営や、お弁当の製造をしているところも多くあります。
職員の役割をまとめるとこうなります。
- サービスを必要とされる方(障がい者)に合った仕事の提供。
- 障害特性を配慮した作業環境や技術習得の手助け。
- 「就労」という形での障がい者の「社会参加」を促す役割。
次はどんな人が就労継続支援B型の仕事に向いているのか解説していきます!
就労継続支援B型の就労支援員に向いている人
一番は、この就労継続支援B型の職員という職業に興味があるかです。
資格がなくても従事できる仕事ですので、正直簡単に入職出来てしまう現状があります。
配慮が必要な人を相手にする仕事であることを、少しの覚悟が必要だと思います。
もう一点、意外かもしれませんが手先が器用な人です。
作業補助具など手作りする場面もあるので木工など好きな方も向いているでしょう。
軽作業では、利用者に教える前に、職員が習得する必要があります。
そして、営業職の経験がある人です。
こちらも、福祉職に?と思われるかもしれませんが、今後は事業所のある地域との結びつきや、社会との結びつきが鍵となってきます。
昔は「授産施設」と言われていた就労継続支援施設ですが、今後は事業所のアピール力や社会の一員としての位置が大切と考えます。
さらに、こういった方も向いているでしょう。
- 人との関りや悩み、障害について興味がある人
- ある程度自分を俯瞰できる人
やっぱり人間関係や事業所の状況をバランスよく見ることができる人は向いていると言えます。
まとめ
就労継続支援事業B型の職員の悩みとトラブル!役割と就労支援員に向いている人は?というテーマで書いていきました。
視野を広く持つこと、他業界での知識を生かせる人が就労支援員として向いている人と言えそうです。
職員の役割として、利用者のことも多角的に見る柔軟さも必要です。
また悩みやトラブルについてもチームで支援を行うことを念頭に置くこと、一人で解決できないトラブルがほとんどです。
就労継続支援B型の職員にこれからなる方、今悩みを抱えている方の参考になれば幸いです。