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就労継続支援A型は生活できない手取り?体験談で一人暮らしやダブルワークを考察

就労継続支援A型は生活できない手取り?体験談で一人暮らしやダブルワークを考察
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就労継続支援A型とは、障害や難病のある方が、雇用契約を結んだ上で一定の支援がある職場で働くことができる福祉サービスのことです。

せっかく就労継続支援A型を利用し手取りがあるのに、その額が足りずに、生活できない!

といった事態にならないよう、障害年金や生活保護との関係・ダブルワークは可能なのか?を体験談を踏まえて解説していきます。

この記事ではこんなことを徹底解説していきます!

  • 就労継続支援A型の手取りで一人暮らしはできるの?
  • 就労継続支援A型の工賃では生活できないのでは?ダブルワークはしていいの?
  • 一人暮らしをしている体験談

ぜひ、最後までご覧ください。

 

就労継続支援A型は生活できない手取り?

就労継続支援A型は生活できない手取り?体験談で一人暮らしやダブルワークを考察

結論から言いますと、就労継続支援A型のみの手取り収入では、生活できない事が多いようです。

結論から言えば単身での生活は、就労継続支援A型の工賃収入のみでは生活できないと言えるでしょう。

でも、ご自身が置かれている生活状況、家族からの支援が受けられるなどといった場合は手取り収入で生活できる場合もあります。

例えば、実家暮らしで住まいにはお金はかからないなどですね。

なぜ、そう言えるのか、次でお伝えします。

 

A型事業所の給料いくら?

実際の就労継続支援A型のお給料っていくらなの?というところで見ていきます。

時給には「最低賃金」という最低支払わなければならない金額が都道府県単位で決められています。

お住まい都道府県の最低賃金はこの表からご確認できます。

都道府県名最低賃金時間額【円】発行年月日
北海道920(889)令和4年10月2日
青森853(822)令和4年10月5日
岩手854(821)令和4年10月20日
宮城883(853)令和4年10月1日
秋田853(822)令和4年10月1日
山形854(822)令和4年10月6日
福島858(828)令和4年10月6日
茨城911(879)令和4年10月1日
栃木913(882)令和4年10月1日
群馬895(865)令和4年10月8日
埼玉987(956)令和4年10月1日
千葉984(953)令和4年10月1日
東京1072(1041)令和4年10月1日
神奈川1071(1040)令和4年10月1日
新潟890(859)令和4年10月1日
富山908(877)令和4年10月1日
石川891(861)令和4年10月8日
福井888(858)令和4年10月2日
山梨898(866)令和4年10月20日
長野908(877)令和4年10月1日
岐阜910(880)令和4年10月1日
静岡944(913)令和4年10月5日
愛知986(955)令和4年10月1日
三重933(902)令和4年10月1日
滋賀927(896)令和4年10月6日
京都968(937)令和4年10月9日
大阪1023(992)令和4年10月1日
兵庫960(928)令和4年10月1日
奈良896(866)令和4年10月1日
和歌山889(859)令和4年10月1日
鳥取854(821)令和4年10月6日
島根857(824)令和4年10月5日
岡山892(862)令和4年10月1日
広島930(899)令和4年10月1日
山口888(857)令和4年10月13日
徳島855(824)令和4年10月6日
香川878(848)令和4年10月1日
愛媛853(821)令和4年10月5日
高知853(820)令和4年10月9日
福岡900(870)令和4年10月8日
佐賀853(821)令和4年10月2日
長崎853(821)令和4年10月8日
熊本853(821)令和4年10月1日
大分854(822)令和4年10月5日
宮崎853(821)令和4年10月6日
鹿児島853(821)令和4年10月6日
沖縄853(820)令和4年10月6日
全国加重平均額961(930)

※括弧書きは、令和3年度地域別最低賃金

この表は厚生労働省のホームページから引用しています(引用元ページはこちら)。

令和3年度の就労継続A型の平均工賃(月額)はこうなっています(引用元は厚生労働省のホームページです)。

  • 平均工賃:81,645円
  • 時給:926円

計算は次の通りです。

【週5日(6時間/日)働いた場合】

30時間(1週間の労働時間)× 4週間(月4週間と想定)× 926円(平均時給)=111,120円

ただしこの金額は手取り収入ではありません。

就労継続支援A型は雇用契約を結ぶため、勤務日数・時間によって雇用保険料、健康保険、厚生年金それぞれが給与から差し引かれます。

そのため、手取り額は上記の金額(111,120円)より少なくなります。

 

生活できない手取りなのか考察

では本当に生活できないのか?

実際に暮らしていくうえで、予想される一般的な例を出します。

収入81,645円(工賃の全国平均)
支出
  • 家賃:30,000円
  • 食費:30,000円
  • 光熱費:11,000円
  • 携帯電話:5,000円
  • 交通費:3,000円
  • 各種保険料:5,000円
  • 被服費:4,000円
  • 娯楽費など:5,000円
  • 合計:93,000円

家賃は手取り額の1/4と言われていますので、URなどを利用しての金額を見積もってみました。

また、食費は少なく見積もって30,000円(1,000/日)で見積もっています。

しかし、これだけ安くしても収入を上回る支出となってしまいます。

就労継続支援A型の手取りの給料では生活できない可能性があることがここまでの計算でわかってきます。

さきほど、ご自身が置かれている生活状況、家族からの支援が受けられるなどといった場合は手取り収入で生活できる場合もあるとこう解説しました。

例えば、実家暮らしで住まいにはお金はかからないなどですね。

確かに、実家暮らしで家賃の支払いがなくなるだけでも、就労継続支援A型の手取りの給料で生活できるのか生活できないのか変わってきそうです。

 

就労継続支援A型は生活できないのか体験談で一人暮らしやダブルワークを考察

就労継続支援A型は生活できない手取り?体験談で一人暮らしやダブルワークを考察

就労継続支援A型の手取りのみでの一人暮らしは難しい。

体験談 ①

就労継続支援A型、障害年金を受給しながら、住まいはグループホームを利用、グループホームでは自治体の家賃補助を10,000円受けています。

就労継続支援A型も2事業者目でスキルアップできるよう頑張っています。

障害者の生活を支える制度を利用すればA型事業所だけの就労でも一人暮らしで生活は可能です。

  • 障害年金や非課税世帯向けの給付金の受給
  • グループホームで家賃を安くする。

じゃあ・・・ダブルワークで副収入を得ることはできる?!

基本的に就労継続支援とアルバイトは併用できません。

就労継続支援A型という事業所の性質上、こういったことがあるからです。

短時間のアルバイトであっても、事業所から支援を受けずに一般就労することが可能な程度、就労に関する能力が高まっているのであれば、サービスの利用対象者になじまないと考えられているためです。

自治体や、事業所によっては、許可されることもあるそうです。

ダブルワークを始める前に、相談する事が必須と言えるでしょう。

体験談 ②

就労継続支援A型から一般就労への移行期に一般就労先の企業へフルタイムで働きながらA型事業所への通所を許可されています。

といった場合もあります。

 

就労継続支援A型を利用するには

就労継続支援A型を利用するには下記のような流れで契約を結びます。

  1. 市区町村の窓口で就労継続支援A型の利用申請を行う
  2. 生活状況などの聞き取り調査を受ける
  3. サービス等利用計画書を作成し、提出する
  4. 受給者証(障害福祉サービス等利用受給者証)を発行してもらう
  5. 事業所と雇用契約を結び、勤務開始する

就労継続支援A型は障害福祉サービスのひとつなので、サービスを利用する手続きが必要になります。

また就労継続支援A型の利用手続きにあたって下記をご参考にご紹介しておきます。

年齢制限(原則)18歳~64歳
利用期限なし
障がい者手帳の有無障がい者手帳がなくても可。

医師の診断などがあれば利用できます。

※自治体によって異なります。

サービス受給者証がお住まいの自治体から届けば、就労継続支援A型の利用(上記の「利用の流れ」の⑤)につながります。

 

就労支援A型はどんな人がどのくらいの勤務時間?

就労継続支援A型はどんな人が通うのでしょうか?

  • 就労移行支援を利用したけれど、企業等へ就職が叶わなかった方
  • 盲・ろう・特別支援学校を卒業して就職活動をおこなったが、企業等へ就職がむすびつかなった方
  • 就労経験のある方が体力面や能力的な理由から退職され、現在雇用関係を結んでいない方
  • 18歳〜64歳の方が対象となります。

では、就労継続支援A型で働く場合、どのくらいの勤務時間かを見ていきましょう。

  • 一般の就労時間よりも短く設定されています
  • そのほとんどが一日4〜6時間となっています
  • 6時間以上7時間や8時間という事業所はごくわずかなようです

8時間フルタイムで働く場合、A型事業所に時間の延長を申し出ると良いでしょう。

また8時間フルタイムで働く場合、一般企業での障がい者雇用枠を狙うといった流れが多いようです。

 

就労継続支援A型のデメリットは

デメリットについてあげていきます。

就職に特化した訓練ができるわけではない(デメリット①)
一般就労を目指すためのステップのための「訓練」はなく、お給料を得ながら就業を継続するための場所です。
一定の就業スキルが求められる(デメリット②)
就労継続支援A型では雇用契約を結ぶため、基本的なスキルを求められます。
年齢制限がある(デメリット③)
原則65歳未満という年齢制限があります。
一般就労への意欲が薄くなる可能性がある(デメリット④)
一定のお給料を得る事ができ、事業所事態の居心地もよくなると、なかなか一般就労への意欲も薄くなる傾向にあるようです。

就労内容については事業所スタッフからの説明やフォローも受けられますので最初から高いスキルは求められません。

ただ、日常生活に必要な知識や、基本的なスキルは必要です。

利用前や個別支援計画の際など、就労継続支援A型を利用してこうなりたいという目標を伝えることも大切と言えます。

 

就労継続支援A型はダブルワークできるか体験談から考察

就労継続支援A型では基本ダブルワーク(副業も)原則禁止とされているようです。

それは就労継続支援A型という福祉サービスの特質を知ると、納得できるかと思います。

それは就労継続支援A型は、事業所から支援を受けることで、就労を継続する方が通う事業所という特質です。

事業所から支援を受けずに一般就労することが可能な程度、就労に関する能力が高まっているのであれば、サービスの利用対象者ではなくなります。

体験談 ③

就労継続支援事業A型の仕事も慣れ、余裕が出てきたため、一般就労を目指すために、相談支援員へ相談後、一般就労をしました。

ただし、自治体によってはダブルワークを許可しているところもあります。

事業所や一般就労への移行期など目的によっては可能である場合もあるようです。

自治体によって違うので市町村の担当課(例:障がい者福祉課など)や就労継続支援A型の事業所に相談をされると良いでしょう。

 

就労継続支援A型の体験談から一人暮らしを考察

体験談 ④

障害年金を受給し、一人暮らしをしています。

金銭管理など不安なところは基幹相談支援事業で手伝ってもらいます。

3年目にして事業所を軽作業の事業所から、パソコンを使った作業を行っているA型事業所に変更しました。

これから30代、40代になり体力的な不安はありますが、一般就労も視野に入れ仕事に励んでいます。

(20代の発達障害:就労継続支援A型を利用して3年目)

地域の中で一人暮らしをすることは十分可能です。

就労継続支援A型の工賃に加え、公共住宅を利用されたり、障害年金生活保護を併用して一人暮らしを実現されている方はたくさんおられます。

生活環境(実家暮らしや、周りの援助)での差はありますが、サービスの組み合わせで、一人暮らしを実現できています。

 

就労継続支援A型でも障害年金はもらえる?

就労継続支援A型は生活できない手取り?体験談で一人暮らしやダブルワークを考察結論からいうと、障害年金をもらいながら就労継続支援A型事業所で働く事は可能です。

では障害年金とは何でしょうか?

障害年金は、病気や怪我等を含めた様々な理由で障害の状態が続くために就労できなくなった、十分に就労できない時に支給される、生活を支える制度です。

障害年金は大きく分けて、①障害基礎年金、②障害厚生年金、③障害手当金があります。

その額は??

令和5年度の障害基礎年金の年間支給額はこうなっています。
  • 1級:約99万円(月額:82,500円)
  • 2級:約79万円(月額:65,800円)

この金額の引用元は日本年金機構のホームページです。

就労継続支援A型事業所で働きながら、上記の障害年金がもらえることになります。

障害年金を足すと一人暮らしも出来そうですね!!

 

就労継続支援A型は生活保護になる?

就労継続支援A型は生活できない手取り?体験談で一人暮らしやダブルワークを考察

工賃の全国平均(81,645円)を受けて、障害年金2級の満額(82,500円)を受給している場合、生活保護の受給を受けることは難しいと思われます。

工賃の全国平均(81,645円)と障害年金2級の満額(82,500円)は合計で月額約14万円の収入です。

徹底調査をしたところ生活保護費の月額平均は10-13万円となっています。

収入(工賃と障害年金)14万円 > 生活保護費 13万円

ポイントは「工賃と障害年金の合計額」が生活保護費よりも多いところにあります。

そのため生活保護を受給することは難しいでしょう。

このケースの場合は障害年金を受けながら、就労継続支援A型で就労する形となるといえます。

生活保護には障害者加算があります。

障害年金の金額を差し引いた形で生活保護費が支給されますが、1級と2級の方は生活保護費に障害者加算という形で加算されて支給される仕組みになっています。

生活保護は、一人一人の生活事情によって生活保護になるのか決まります。

例えば似たような生活をしている人がいても、一方は生活保護になって、もう一方は生活保護にならないこともあります。

生活保護の決定はそれぞれの人の生活状況を考慮するので複雑になっています。

だから、生活保護になるのかどうかは最終的に担当課(市町村の福祉事務所や都道府県の担当課)と相談をしないと確実なところは不明です。

ではそもそも生活保護とはどういう目的があるのかみてみましょう。

 

生活保護とは?

生活保護とは、生活に困窮している方に対して、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助長するための制度です。

生活保護以外に利用できる制度(障害年金など)があれば、生活保護よりも障害年金が優先的に支給される決まりになっているんです。

そのため、障害年金と生活保護費の両方を同時に満額受給することはできません

つまり、収入が全くない人の生活保護費が10万円の満額支給で、障害年金の支給が8万円だった場合こうなります。

生活保護費=10万円(生活保護費の満額) − 8万円(障害年金の満額) = 2万円

簡単にいうとこうなります。

  • 生活保護を受ける場合、生活保護費の満額以上の収入がある場合は生活保護費は受けられない
  • 生活保護の満額に満たない工賃や障害年金しかない場合は、工賃や障害年金と生活保護の満額の差額を受給できる

生活保護制度で支給される生活保護費の金額については、申請された方の年齢や障害の程度、地域等によって異なります。

 

まとめ

就労継続支援A型は生活できない手取り?体験談で一人暮らしやダブルワークを考察
今回は「就労継続支援A型は生活できない手取り?体験談で一人暮らしやダブルワークを考察」というテーマで体験談を交えながらお伝えしてきました。

誰しもが、いつかは自立した一人暮らしを目標にあげるのではないでしょうか?

就労継続支援事業A型の手取りのみでは金銭的に難しい。

しかし、障害年金や生活保護といった社会の仕組みを利用しながら、一人暮らしなど自己を実現することも可能だと分かっていただけたかと思います。

就労継続支援A型の手取りだけでは生活できないとしても、どこに、自己実現の目標を設定するか、ダブルワークをするにしても、自身の体調を崩しては意味がありません。

しかし、体験談にもあるようにダブルワークができるくらいの実力、体力がつけば、次のステップ(一般就労)への時期かもしれませんね。

最後までご覧いただきありがとうございました!